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平成の御車山 / 焼嵌め(やきばめ)
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儒教の基本経典・五経のひとつに数えられる「詩経」の一節、
『 鳳凰鳴けり、彼の高き岡に 梧桐生ず、彼の朝陽に 』。
高岡の地名はここに由来しており、
平成25年度から制作がすすめられている
「平成の御車山」のデザインコンセプトの主題でもあります。
良いものをつくるためには充分な時間が必要・・・というのは世のならいですが、
こちらの御車山は平成29年度をめどに完成とのことで
華やかな全体像を見ることができるのは、もうしばらく先の話。
制作開始から時間が経つにつれ、その存在が薄れてしまわないよう、
高岡市ではホームページ上に制作状況をのせています。
今年の8月には鉾留や車輪金具などの展示がなされ、実際に目にする機会も、もうけられていましたね。
職人さんによる地道な手仕事と
人々による寄附でもって、
着実に完成へとあゆみをすすめている「平成の御車山」。
木でできた車輪には、損傷を防ぎ、車の寿命を延ばす目的で
金属の輪が外側に付けられるものなのだそうですが、
その取りつけ作業=「焼嵌め(やきばめ)」が、9日(日)に行われました。
◆ 鉄輪を熱して膨張させるための、炉
◆ 空気を送り込んで、およそ800度にします
◆ 鉄輪を熱したら、冷めないうちにすぐ移動!
◆ 車輪の外側に嵌めます
◆ 水につけ鉄輪を収縮させることで、木部とくっつく仕組み。水蒸気の勢いがすごい!
「焼嵌め」は全体を通して技術者の経験と勘を要する作業ではありますが、
人が車輪の上にのって鉄輪をはめ込むところは
ことさら空気がはりつめていたように感じられました。
“木部を炭化させないよう気を遣うだろうに、すごく落ち着いてるな〜”と思っていたら
今回の方は、これまでにも10回ほど経験がおありだとか。納得・・・。
完成までの道のりは長くとも、
高岡のまちで守られてきた伝統や技術を次の世代へと伝え
それらを発展させるシンボルとすべく、今日も「平成の御車山」の制作は続いてゆくのです。
(tt)
毎年11月23日は、五穀の豊穣を神さまに感謝する「新嘗祭」の日。
この日には全国の神社で祭祀がおこなわれるのだとか。
現在は「勤労感謝の日」として国民の祝日になっていますが、
“勤労を尊び、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう”という趣旨は
どちらにも通じるものではないでしょうか。
そして、目には見えぬ神さまを祀っている神社は
規模の大小にかかわらず、なにか特別な感じがして人を引きつけるもの。
以前訪れた越中國一宮・氣多神社も、そんな佇まいで私たちを迎えてくれました。
◆ 階段をのぼり石燈籠に誘われながらすすむと見えてくる拝殿
◆ 境内にならんだ石燈籠が良い風情
本殿が国指定の重要文化財であるこちらの神社、
風格がありながらも優しげな雰囲気に満ちているのがなんとも魅力的。
境内には大伴家持卿を顕彰した大伴神社なるものも、あるのです。
◆ 大伴神社
大伴神社前には狛犬が2対鎮座していて、
アングルによっては奥の狛犬が“食べられちゃう一歩手前”にも・・・
◆『食べないで〜』
氣多神社は
市指定の無形民俗文化財に指定されている「にらみ獅子」が名を馳せており
その時期に足を運ばれる方も多いかと思います。
もちろん「にらみ獅子」は見に行く価値のあるものですが
たくさんの人が訪れるときを避け、心やすらぐ静寂をもとめるのも、たまには良いかもしれません。
(tt)