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高岡市美術館で9月22日〜10月28日に「森村泰昌モリエンナーレ/まねぶ美術史」が開催されます。
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以前の当ブログでもご紹介しましたが(→こちら)、高岡市美術館では9月22日(土・祝)〜10月28日(日)に「森村泰昌モリエンナーレ/まねぶ美術史」が開催されます(→詳しくはこちら)。
森村泰昌(もりむらやすまさ/1956年生まれ)氏は、「セルフポートレイト(自画像)」の手法で、今回の展覧会のチラシにドカ〜ンと載っているように(→こちら)、マリリン・モンローなどの女優や有名人や、ゴッホなどの世界の名画になりきった表現をすることで有名な、国際的に活躍する現代美術家です(→具体的な作品はこちら)。きわめて独自の道を行くアーティストといった印象ですね。
ところが、今回の展覧会は、森村泰昌氏の若き頃に焦点をあてており、出店されている作品の約半分は森村泰昌氏以外の作品で、しかも出展されている森村泰昌氏の作品のほとんどが、代名詞でもあるセルフポートレイトでないという、少し毛色の変わった展覧会です。
ところで、タイトルの「まねぶ」とは「学ぶ」と「真似る」の共通の語源でもある古語だそうで、つまり「学ぶ」も「真似る」も本来は同じ意味です。(森村氏の言葉を借りれば「わかりやすく音楽でいうならカヴァーみたいなこと」だとか)
森村氏は若い頃から、新しい表現に出会うと、その画風や製作思想を「真似た」作品をつくり、「真似る」ことから「学ぶ」若者だったそうで、今回の展覧会は「若き森村泰昌」が現在の「アーティスト・森村泰昌」になるまでに、どのように「まねぶ(真似して学ぶ)」ことをしてきたかを、森村氏自身の、これまで未発表だった高校時代からデビュー前の作品と、実際に真似した作品を対に並べて紹介するという、とてもユニークな美術展です。(→対の一部はこちら/チラシの裏面)
森村氏に真似されたのは、岡本太郎、赤瀬川原平など日本の現代美術史を代表する作家に加え、パウル・クレー、アンディ・ウォーホルやジャスパー・ジョーンズなど西洋美術史を彩る作家たちで、それがそのまま現代美術史の流れになっており、一人の現役アーティストの目を通した現代美術史になっています。
とっても楽しみな展覧会ですね。
なお、初日の9月22日(土・祝)14:00〜には森村泰昌氏ご本人による、「大学・高校生に語るモリエンナーレ・ギャラリートーク」が予定されています。場所は企画展示室。内容は、「富山大学芸術文化学部と富山県立高岡工芸高校の学生たちを交えてのトーク」です。※一般の方の聴講も可能です[要観覧券]。
★森村泰昌氏の活動全般を紹介している「森村泰昌」芸術研究所はこちら。
★森村泰昌氏のインタビュー
→静岡市美術館 での「森村泰昌モリエンナーレ/まねぶ美術史」におけるインタビューはこちら。
→京都市立芸術大学での「卒業生インタビュー」はこちら 。
第4章で森村泰昌氏と高岡市美術館とのゆかりが語られています。
★森村泰昌氏ご自身による「モリエンナーレとは?」はこちら。わかったような、わからないような・・・
(SH)